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作品情報

作者:知念実希人
出版社:実業之日本社

総評

知念さん作品の中では珍しい特殊設定もの。
特殊設定ミステリを知らないで読むと面喰います。

全体の感想

あらゆる生物を殺して擬態する「マレヒト」。
その知的生命体を捜し出し、島外に脱出させる前に退治する。それが本書の目的となります。

完全なファンタジーですが、内容はしっかり推理小説です。

ただし、常識が通用しないので、本書ならではのルールを理解せずに推理はできません。
スタンダードな推理小説が好きな人にはとことん合わないですね。

人間の悪意で事件を起こしているという点で、屍人荘の殺人の方が受け入れやすいかもしれない。

トリック

特殊設定を受け入れられたなら推理自体は面白い。
誰がマレビトか分からない疑心暗鬼の状況が実に良いんですわ。

実行犯はマレビトで確定しているわけですので、マレビトを見つけることがゴールになります。
アプローチ方法としては、

  • トリックを見破り論理的に追い詰める
  • マレビトの弱点を攻めて物理的に追い詰める

の2パターンあります。特に後者は普通のミステリーでは中々お目にかかれません。
得体のしれない恐怖が味わえますし、ラストもすっきりします。そういう意味で悪くない作品だったかなと。

とはいえ、普通の推理小説ではないのでやはり人を選ぶとは思いますが。

クライマックス

何から何まで新しい。
人間に擬態するという観点では寄生獣に近いものを感じます。

設定も考え抜いており、大きな矛盾は見つかりません。
神話風の伝承も残っているため若干のクトゥルフ味もあるかな。

まとめ

流石は知念さんの作品と言ったところでしょうか。切り口が斬新なんだよな。
あまりにもファンタジーなので、純粋な推理小説を期待すると面喰います。それだけ注意。

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