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作品情報
作者:西村京太郎
出版社:講談社文庫
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雑感
実用書というより「犯罪心理学のパンフレット」。
価格相応ではありますが、内容がとにかく薄い。
そのため、これ1冊で犯罪心理学を学ぶと言うのは諦めた方が良いでしょう。
ただし、興味を惹く話題が目白押しなので、犯罪心理学という言葉しか知らない人にはうってつけの書籍でした。
本格的に犯罪心理学を学びたくなれば、それに応じた書籍を買うことをオススメします。
あなたの常識は間違っていたかもしれない
世間では周知の事実として扱われていた事柄。
しかし、僕たち自身はそれを根拠なく信じていたに過ぎません。
本当?誤解?
- DVされた子供は親になると繰り返す
- 少年犯罪の凶暴化
- 痴漢の動機は欲求不満
- 子供への性犯罪は中高年男性が多い
漠然と理解していた内容について本書は切り込んでいきます。
今迄の常識が覆るほどの内容ばかり。思考が固まりやすい人ほど本書を読んでみてはいかがでしょうか。
ホワイダニット好きにたまらないテーマ
ここからは推理小説と絡めてレビューをしていきます。まずは動機。
- 人が人を殺す心理
- 性犯罪の心理
と言った犯行を行う動機を分析しており、推理小説を読む上で参考になる内容でした。
殺戮にいたる病
猟奇殺人を犯人視点で追う物語。
そもそもが動機に重点を置いた作品であり、犯罪心理学と密接な関係があります。
本書では、快楽型連続殺人の項目が該当するでしょう。
快楽のための殺人。
あまりにも救いのない内容に犯罪者の心理とは何かを強く考えた作品でした。
屍人荘の殺人
推理小説では、性犯罪よりトラブルによる殺人の方が多いです。
- 金銭トラブル
- 恋愛トラブル
- 日頃の恨み
屍人荘の殺人もその1つで、真犯人の目的をすることで物語は完結するのです。
プロファイリングで追い詰める刑事小説
プロファイリングを明言する刑事小説はあまりありません。
しかし、捜査会議で犯人の人物像を議論する中で、間違いなくプロファイリングを利用していることが分かります。
本書を読めば、刑事小説にも違った味を見つけられるかもしれません。
まとめ
990円という低価格で犯罪心理学の概要を学べる良書。
内容自体は薄くパンフレットレベルだが、何も知識がない人もするっと読めます。