【粗筋】4月1日のマイホーム【感想】~嘘か真か~
作品情報
作者:真梨幸子
出版社:実業之日本車
雑感
事実は小説よりは奇なりを地でいく奇想天外な物語。「流石にこれは嘘だよな?」って展開の連続です。
あらゆる出来事が荒唐無稽であり、都市伝説まで絡んでいるので真実がどんどん見えなくなっていきます。
登場人物はどいつもこいつも憶測を自信満々に語るため読者は混乱するばかり。なんなら真相解明編も本当かどうか疑わしい。
テーマは「どれが本当でどれが嘘なのか暴いてみろ」ってところでしょうかね。
そんなこんなで意外性は間違いなくありますが、それに拘るあまり投げっぱなし感もあります。少なくともすっきりはしない。なんかモヤる。
登場人物
誰に感情移入すれば良いか分からん。
終盤までは畝目4丁目プロジェクトに引っ越してきた3人の主婦の視点で物語が進んでいきます。
そんな彼女達はどこにでもいる普通の主婦。互いをけん制し合っているものの悪人ではなく、抱えている問題も珍しくはない。
だからこそインパクトがない。彼女らの人となりを知ったところで「で?」となってしまう。しかも彼女たちの話は生産性がなく一向に話が進みません。リアル主婦の会話。
ある種のあるある話としてなら面白いのか?正直よくわかりません。
そして、終盤からは新たな女性が登場し、過去の都市伝説の究明を始めます…が、彼女の出番も唐突感がぬぐえない。
キャラは立ってるんですけどね。登場人物の役割がどうにも分からないんだよなあ。
粗筋
東京都S区に建てられた分譲住宅「畝目4丁目プロジェクト」。
ここはかつて大量殺人事件が起こった高級賃貸物件の跡地という噂が立っていた。
しかし、そんな記録は一切残っておらず、報道された事実もない。あくまでよくある都市伝説の1つに過ぎなかった。
ところが、引っ越してきた住人は早々に何者かの死体を発見してしまう。更に時間をおいて、1人また1人と住人が命を落としていく。
もしかして都市伝説は事実であり、私達はそれに巻き込まれているのではないか。
何が真実で、何が虚偽なのか。エイプリフールに起こった惨劇の真実は一体。
事件
事件が起こっているのかどうかすら分からない
「エイプリルフール」が全てをややこしくしている。
かつて起こったと噂される連続殺人事件、主婦たちが見つけた死体。次々と死亡する住人達。
警察が介入しないため確定情報が一向に出てこず、事件か事故か虚言か全く分かりません。
それこそが本書の肝と言える部分かもしれません。アイデアは間違いなく面白い。
敢えて普通に考えるとあり得ない内容にしているんでしょうね。そのせいで余計に真実が分からなくなる。
唐突に話が180度変わるため積み重ねの楽しみがない
地道に調査をして、真実を見つけるなんて器用な真似はできません。
なにしろ主要人物は主婦ばかりですからね。井戸端会議が関の山です。
容疑者にされることを恐れて死体を隠ぺいしようとすらしますし、途中から死体なんてどうでもよくなるくらいの事件も発生。もはや収集がつきません。
我々読者は登場人物の主婦と同様に次から次に起こるイベントに対応できないまま最後まで突き進むしかないのです。
あれなんだよな。「あの時の言葉はこういう意味だったのか」みたいな伏線に感動する場面がないと言うか。考察しがいがないというか。
インパクトに全振りした感がどうしてもある。
まとめ
正直何とも言えない。先が気になって一気に読みはしましたが、いざ読み終わると「この話はなんだったんだろう」と小首をかしげてしまう。そんな作品。
