スポンサーリンク

作品情報

作者:西村京太郎
出版社:講談社文庫

雑感

  1. 「そして誰もいなくなった」
  2. 双生児を使った替え玉トリック

をテーマにしたトリック全振りの推理小説。
刑事たちが知恵を絞って事件の全容を暴くラストに読む手が止まらない。

トリック好きにオススメの作品です。

粗筋

正月に頻発する強盗事件

大晦日まで残すところ数日。そんな年末の慌ただしい時期に強盗事件が発生した。

顔も隠していない犯行。しかも立て続けに何件も起こしており、すぐに解決するだろうと思われた。
実際、すぐにモンタージュ写真と同じ容疑者が逮捕された。

しかし、予想に反して事件は混迷を極めることになる。同じ顔の人間が2人も逮捕されたからだ。

雪山の山荘で起こる連続殺人事件

京子は婚約者の森口とともに雪山の山荘を訪れる。
開店3周年を機会に東京在住の数名を無料招待するとのことで、参加したのだった。

自分たちと管理人の早川以外に4名が招待され、総勢7名で過ごすことになる。
食事も美味しく、雪景色も申し分ない。

きっと楽しい旅行になるだろう。誰もがそれを疑いませんでした。

登場人物

まあ、印象に残らないな。
山荘事件と強盗事件で視点が変わりますし、過去の深堀もほとんどありません。

しかもどんどん人が死んでいくので、思い入れも何もない。
登場人物の心の動きを見たい人には向いていません。良くも悪くも舞台装置の1つです。

事件

大テーマは雑感にも述べている2つですが、それ以外も推理小説を盛り上げる要素が満載です。

無関係に見える2つの事件を結ぶ鍵

山荘の連続殺人と双子の強盗事件。

「双生児」だけでみれば強盗事件がメインなのでしょうが、どうも犯人が小者なんですよね。

同時刻に行われる事件がどう絡むのか全く予想がつきません。

犯人の不可解な行動の意味

犯人の痕跡から真実を追求するのが推理小説の醍醐味ですが、それがかえって事件を複雑にさせています。

普通の事件なら絶対に残さない証拠。逆に残すだろう証拠。
一般的な推理小説としてはありえない証拠が集まってくるのです。

まあ、そもそもが1979年と古い作品ですからね。
警察とマスコミ、被害者家族が同時に事件現場に訪れる、現代では起こり得ない事象もあります。

クライマックス

事件は全て解かれた。最後に笑うのは犯人かそれとも。
やるせないラストなのは間違いありません。なぜこうなったのか。

犯人の動機を知ると何とも言えない気持ちになりました。
まあ、でも動機は正直オマケですね。

本筋はやはりトリック。あちこちに張り巡らされた伏線の怒涛の回収は圧巻の一言でした。

「推理」小説としては非常にすっきりします。

スポンサーリンク