作品情報

作者:近藤史恵
出版社:双葉文庫
販売店:

雑感

ミステリー要素があまりにも薄い。
事件そっちのけで最後まで主人公の恋愛の話が続きます。

そういう目的で読んでないので、別の意味で後味が悪かったです。
描写が妙に生々しく、性的な話が苦手な人は注意。

粗筋

日々の生活に絶望した木崎淳平は友人の紹介でハワイ島に訪れた。

宿泊先では個性的な人たちと親睦を深め、オーナーの瀬尾和美と体の関係になった。

心身ともに癒されつつあった木崎。
ところが、立て続けに2人が事故死。さらに住人全員が嘘をついている疑惑が浮上した。

いったいホテルで何が起きているのか。
やがて木崎は予想だにしない真実に気づくことになる。

登場人物

木崎淳平

元教師。とある事情で退職後、何もせずに過ごしてきた。
心配した親友の薦めでハワイ島を訪れる。

ぶっちゃけ恋愛ジャンキー。
色々と言い訳してますが、恋愛感覚が常人とズレています。

裏切られた経験があるせいか性格は卑屈。
一連の事故もどうでもよく、和美との関係に悩みっぱなしです。

不快とまでは言いませんが、最後まで好きになれませんでした。

事件

異郷の地の独特な雰囲気が面白い

一期一会の出会い。
普段は別行動をしていますが、時には一緒に観光する宿泊客。

チェックアウトすれば二度と会わない関係だからこその関係を堪能できます。

緩い繋がりっていうんですかね。
事件が起こるまでは間違いなく癒される場所だったのでしょう。

生々しい男女の関係が気持ち悪い

登場人物のほとんどが複雑な恋愛観を持っています。

  • 木崎は和美と不倫関係
  • 宿泊客の女性は婚約相手からの逃亡
  • 宿泊客の男性はナンパ三昧

昼ドラを見ているかのような感覚に陥りました。

それだけならよいのですが、直接的な描写が多い上に生々しい。

そういう目的で読んでないので、単純に気持ち悪かったです。

事件はあってないようなもの

不穏な空気が漂い始めますが、大して進展はしません。

みんな自分の恋愛に忙しいですからね。
宿泊客の死は怖いですが、真実を解き明かす気もないわけです。

調査なんてしません。疑わしい人物への追及もしません。
これをミステリーと呼んで良いのか疑問です。

クライマックス

唐突に降って湧いた決定的な証拠。
話の流れ的に矛盾はありませんが、急に話を畳み始めた感は拭えません。

そこから真相究明もダイジェスト。一気に真実を知る人物との対話に移ります。

真相究明のスッキリ感はほとんどありません。
あ、そうなんだ、ぐらい。気づいたら謎が解けてました。

まとめ

ミステリーの皮を被ったヒューマンドラマ。
ついでに人が死んだ感が強い。事故死が無くても話はつながるんだよな。

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