輪廻転生の傑作物語であるスピリットサークル。
時系列が入り乱れてややこしいので整理をし、残った謎の考察を行いました。

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作品情報

作者:山田恵庸
出版:週刊少年マガジンコミックス

主要人物の輪廻、及び輪廻における原則

まずは主要人物の生まれ変わりを時系列に沿って表にしました。

第2章第3章第4章第5章第7章第8章第6章第1章
フォンヴァンフロウ方太郎桶屋風子桶屋風太ラファルフルトゥナ
ストナ魔女ロカ岩菜石神井鉱助石神鉱子ラピスコーコ
レイレイ桶屋レイカレイ
シスターハラーラ朱里野々宮ノノカロル
シスターリハネラ璃浜ウミリフル
グラスアルボル住職タエダイキタリオ
スティールクティノス刃九郎テンコテツアイゼン
ヴァンの弟フロウの息子火次郎桶屋シンイチアッシュフランベ
親方桶屋桃吉
桶屋砂和
シエロ吾妻先生クラーロ
フォン父叔父代わり鉱子父初代所長名前不明

※フォン父はヴァンの章の叔父代わりの人の「前世で親子だったかもな」より推測。

これはあくまで時系列であり、実際の魂の動きは異なります。
桶屋風太の場合、魂の始まりはフルトゥナですが、時代でいえば一番未来なのです。

死ねば魂は物質という川から上がって上流にも下流にも歩いて行ける。
(6巻より)

本作では第1章から順に魂が動いていると考えて下さい。

ここを抑えないと混乱します。
僕はフルトゥナの時代がどの辺りか理解するまでに時間がかかりました。

また、本作による輪廻転生では以下の原則がキーとなっています。

  • 憎しみやわだかまりも次の輪廻に持ち越される。
  • 今生での憎しみやわだかまりは次の輪廻で解消するように動く。

例えば、フランベは輪廻転生を続けてもしばらくはフルトゥナの未来生を恨み続けていました。
それはフルトゥナへの劣等感と彼のした過ちを憎んでの事です。

その憎しみは深いものでしたが、アッシュの時に僅かながら解消をしています。

スピリットサークルにおいて魂は輪廻を繰り返すごとに研磨され、より大きな輝きを持つようになるのです。

スピリットサークルとは何なのか

星の霊スパスシフィカが危機感を抱いた程のスピリットサークルのおさらいをしましょう。

スピリットサークルの能力
  1. 肉体から魂を分離させる
  2. 魂の抜けた肉体を操れる
  3. 肉体だけでなく魂ごと消滅させることが出来る
  4. 所持者の過去生や未来生を見ることができる
  5. 所持者のスピリットサークルを取り込んだ人間と所持者の関係は輪廻を超えても再現され続ける
  6. パラレルワールドや違う時間軸に移動できる

ここでいう所持者はスピリットサークルを持つ者と考えて下さい。

フルトゥナの野望である6番は何とか阻止されましたが、恐ろしい能力です。
スパスシフィカが危機感を持つ理由も納得ですね。

5番は少しややこしいですが、風太と鉱子の魂が全ての時代で出会っている事から何となく分かって頂けると思います。
フォンとストナ、ヴァンと魔女、フロウとロカといった風に全ての時代で争いを再現させているのです。

スパスシフィカとは何者なのか

「スパスシフィカ」はアーリオーン・メッセージに登場する単語です。
かなりスピリチュアルな内容でネットで調べても意味が全く分かりません・・・。

ただ、霊的なるモノであるのは間違いないらしく、スピリットサークルに固執するのは納得できます。

警告はするものの地球そのものが危機に陥らない限りは傍観者に徹している模様。
僕はスパスシフィカが地球そのものだと考えています。

根拠は5巻でルンが風太にスピリットサークルを返した場面。
渡す瞬間は大きな球体、そう地球の形をしていたのです。

スピリットサークルは地球内の魂の輪廻を操るものです。
そして、地球を構成するもの全てに魂が宿っている。そう解釈するとスピリットサークル=小さな地球と考えられます。

地球本人としては危機感を抱かずにはいられません。
そういった意味でスパスシフィカは何度となく警告をしてきたのではないでしょうか。

ソウルキャッチャーを託した宇宙人の真意とは

本作最大の謎。あまりにも意味不明でしばらく???状態でした。

宇宙人のおかげでフルトゥナに打ち勝てたのですが、なぜ協力してくれたのでしょうか。

これに対して考察するには桶屋風子の物語を紐解く必要があります。

風子時代の物語の確認

まずは「富士屋根」の正体ですが、恐らくラファル時代で爆発したブラックホール爆弾の余波と考えられます。

しかし、時代でいえば風子時代はラファルより過去です。
魂ならともかくとしてエネルギーまで時系列に逆らった流れになるとは考えにくい。

1つの仮説ですが、他の時代と比べて風子時代だけ可能性値が異なっています。
要するに風子だけパラレルワールドなのです。

ラファル時代で発生したブラックホールの余波がパラレルワールドの風子時代にたまたま影響したと考えています。

また、どうもフルトゥナは桶屋風子が宇宙人に会った場面は見ていないようです。
宇宙人が意図的にフルトゥナの未来生覗きを防いだのかもしれません。

そして、宇宙人が見せた3枚の絵、「スピリットサークル」、「スパスシフィカ」、「霊学の宇宙図」
彼らが対フルトゥナ用に渡したソウルキャッチャー。

更には風子が宇宙人と聞いた時の爆笑の渦。

これらから推測するに彼らは風太と鉱子の未来生としか考えられません。

宇宙人はフルトゥナの企みで輪廻が壊される事を察知した

彼らは自分たちの事だから協力的だった、そう考えると一連の行動も納得できます。

ソウルキャッチャーを作り出す程の能力と過去生の認識から桶屋風太の真の始まりの魂であり、時代はフルトゥナよりも未来であるはずです。

フルトゥナは七属七生まで、要するに7つの未来生までを見ました。
そして、最後に風太時代を見て、自分はそこで死んでしまうと勘違いしたのです。

ならば、自分が地球そのものとなろう、そうフルトゥナは考えました。
しかし、その更に未来の魂である宇宙人風太はそれを知り、止める手段を考えました。

それが風太への情報提供とソウルキャッチャーのプレゼントだったわけです。

ブラックホール爆弾の余波である富士屋根の利用

宇宙人風太は別の時代に行き来する方法を知っていました。
しかし、フルトゥナが言っていたように通常では膨大なエネルギーが必要となり不可能です。

そこで最もエネルギーが多い富士屋根を利用することを考えました。

この時のエネルギー使用で富士屋根のエネルギーは枯渇し、フルトゥナの時代では暗黒盆地と成り果てたのです。

もし、宇宙人風太が利用しなければフルトゥナが利用したでしょう。

読めば読む程考察のし甲斐がある傑作

以上がスピリットサークルを何十回も繰り返し読んで得た結論になります。
非常に難解なテーマではありますが、妄想が非常に捗りますした。

6巻とは言えない圧倒的な内容でした。お見事!

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