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全体の感想

煮え切らない。それが本作に対する率直な感想。

起承転結の「結」だけどうにも消化不良でした。
個別で見ると面白いんですけどね。ゲームクリア後特有の気持ちの良い虚脱感は得られないのがなぁ。

てっきり100個のエンドを見た後にTrueが来るかと思ったんですが、そんなこともなく。

ていうか、澄野と雫原は無事にループから脱出できたんでしょうかね。
この辺をきっちり書いてもらえれば、すっきりしたんですが。

ダンガンロンパのような息つく暇もない怒涛の展開を期待していただけにガッカリでした。

まあ、なんだかんで全部クリアしたので、悪い所ばかりではありません。
最後だけ…最後だけもっとなんとかならんかったんか。

ストーリーは叙述トリックあるあると申しましょうか。真の悪は地球人だったというオチ。
びっくりするぐらい悪に書いています。清々しいレベル。

そう考えると、人工天体をぶっ壊した真相解明編を正史にするのは理にかなってはいるか。
澄野を含めて侵略者はほぼ全滅。霧藤だけが生き残るのはハッピーエンドと言えるでしょう。

ただし、後でも言いますが、これではタイムループを抜け出せません。

そのTLだけで言えば解決ですが、プレイヤー視点ではタイムループ脱出までしないと半端だよな。

恐らくSF編で脱出できたのでしょうが、そうすると地球人とフトゥールム人の争いは続きます。
また、澄野と雫原以外は真実を知らないので、まともな未来になるとも思えません。

結局、どうあがいても絶望。というかハッピーエンドが想像つかないのです。

全ての記憶を保持した澄野次第なところはあるか。彼の心労を考えると涙が止まらない。
もっとこう大団円を期待していましたが、無理そうですね。

キャラクター感想

印象の薄いキャラは1人もおらず、キャラゲーとしては最高レベル。

本作は澄野と雫原のW主人公となっており、彼らを軸に物語は進みます。
といっても雫原はSFTL以外は目立たない…というか早々に死んでしまいますが。

度重なるループで精神年齢が上がっているのか周囲の批判に感情論で言い返しません。
だからこそ不憫ではありますけど。特に澄野はアンガーマネジメント完璧すぎるだろ。

彼ら以外で優遇されているのは川奈。設備の修理や新発明の作成などを1人でこなせるので、霧藤以上に出番があります。ほとんど死なない。
どのTLでも澄野を信じてくれるので、プレイヤーとしても安心して見ていられました。

蒼月はダンガンロンパの系譜にふさわしいジョーカーキャラ。なんだかんで嫌いな人はいないんじゃないかな。

突き抜けたクズであり、全くブレない強靭な意思を持っています。
他メンバーがころころと態度を変えるので、余計に蒼月の良さが光るという。

どんなことをしても蒼月だからいっかで済ませられるのはすごいですわ。

プレイヤーのヘイトタンクは丸子、今馬、大鈴木の3人でしょうか。
特に丸子は事あるごとに澄野を糾弾するので見ていられません。

ただ盛り上げ役として様々なイベントを催す点は重要。やっぱ必要ではある。

シナリオ

TLが多すぎるので、特に印象に残った項目だけ。

全体を通して言えることは、根拠のない情報を妄信して暴走することが多すぎる。

いつ死ぬか分からない殺伐とした世界だから何かに縋りたい気持ちも分かりますが。
こんなだから色々な奴らに好き勝手にされるんですわ。

真相解明編

これがTrueエンド扱いなのが納得いかない。

生徒全員で特攻して、フトゥールム人の滅亡を回避。
人工天体も崩壊しているため、唯一の生き残りである霧藤がフトゥールム人との架け橋になってエンドです。

納得いかないのは2つ。まず、これでは無限ループが解除されません。
満足して死んだところで再び最初に戻るだけ。根本的な解決にはなっていない。

また、真実があまりにも予想通り過ぎて驚きが無い。
情報の出し方も微妙。例えると、進撃の巨人でライナーのネタバラシがずっと続く感じ。

そんなあっさり出す?って展開ばかりで、衝撃は一切ありませんでした。

良い感じのラストバトルで感動こそしましたが、これを特殊エンドにするのはいかがなものか。

ただ、蒼月が洗脳を受けずに真の意味で共闘する点は素晴らしい。
無限ループという設定さえなければ、これがエンドでも良かったのは間違いない。

ヴェシネス編

唯一、ヴェシネスとの和解が可能だったTL。個人的に面白かったランキング上位。

これ以外のTLでは問答無用で英雄を殺していくので、彼らのことが何1つ分かりません。
フトゥールム人も一枚岩ではなかったんだなぁ。澄野はこの記憶をSFTLで活用しろよ。

ヴェシネスが思った以上に人間味あったのは意外でしたね。
澄野との問答で彼女は狂人ではなく、強いがゆえに孤独だったことが分かります。

上手くやればフトゥールム人と対話する道も選べた貴重な話と言えるでしょう。

ただ、川奈が澄野に反旗を翻す珍しいTLであり、やっぱ上手くいきませんが。

モノケバ編

個人的に一番メンタルがえぐられたTL。
霧藤が澄野にガチギレしており、中盤まで絶交状態です。

他TLでも初対面のはずの澄野が妙に馴れ馴れしいことを気持ち悪がっていますが、モノケバTLでは自分だけ助けて他を見捨てたことに怒り心頭。

ドスの聞いた「気持ち悪い…」を聞いた時、澄野と一緒にメンタルブレイクしました。

霧藤の女の子像が妙にリアルなんですよね。
表面上は優しいけど、心の内は気味悪がっていると。いかに川奈が天使か分かりますね。

そんなこんなでキツイTLですが、飴宮の内面を知れる唯一のTLなのでスルーするわけにはいきません。

言動がぶっ飛んでるものの本来は川奈以上の天使。敢えて嫌われ役に徹していることが分かります。
自分を救ってくれた澄野を愛しており、彼のメンタルをいつも慮っていたと。霧藤との仲も取り持ってくれています。

ラストの命を懸けた献身は涙なしには見られない。飴宮の魅力全てが本TLに書かれています。

連続防衛編

全人類が断トツで嫌い。これには異論ないでしょう。

ここまで来ると戦闘は飽きてるはず。にもかかわらずスキップができない戦闘が無限に続きます。
恐らくバージョンアップで改善されるでしょうが、それ抜きでも不毛なシナリオでした。

無理に100エンドにした結果の弊害ではないか。そんな気がする。

SF編

これまで謎とされた「推理編」と「デスゲーム編」の答え合わせ的な感じ。ある意味で解決編。
タイムリープを多用するので、ワクワク感は段違いでした。

だからこそ2つ目の特殊エンドをここに持ってこなかったのが理解できない。

他エンドと同じようにあっさりなんですよね。
裏ボスみたいなのもいないし、エピローグもない。

考察で言ったように実際は何1つ解決していません。
イヴァーも洗脳したまま。彼女を人類がまともに扱うとは思えません。

もしかして2の布石か?って感じの内容です。ていうか、マジで出そうだな。

デスゲーム編

川奈と面影の両手に花状態のTL。
どういう理由にしろ孤立した澄野を救った面影は間違いなくMVPですし、彼を孤立させたことに思い悩んでいた川奈も間違いなく天使。

かなり殺伐としているTLですが、2人のおかげで何とか読み進められました。
川奈は他TLで恋愛するのにデスゲームTLでも結ばれる辺り優遇っぷりが伺えますね。

また、イヴァーと霧藤の友好関係もこのTLでしか発生しません。
義妹もできますし、霧藤にとってはベストエンディングではなかろうか。

生き残りは少ないものの1人1人を見ると意外と幸せに見えるTLでした。

ただ、イマイチ謎が全部解けた気がしない。
1人目と最後のゲームマスターは分かりましたが、複数で登場した奴らは何だったんでしょうか。

まとめ

1週目の終わりがクライマックスかなあ。
なんだかんで全クリしたんで高評価も納得ではあるけど、どうにも結末が微妙でした。

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