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Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~【レビュー】

作品情報

メーカー:Spiral Up Games
価格:3,400円
クリア時間:25時間(2週分。トーマルルートのみクリア)
販売サイト:

シナリオ

刑務所を舞台にした骨太のサスペンスゲーム。
冤罪を晴らす証拠を手に入れ、それをどう民衆に伝えるか。先の気になる展開の連続でございます。

冤罪で投獄されたジャーナリストの大脱獄劇

正義のジャーナリストとして活動するトーマスは街の闇に触れ、報復として無実の罪を被せられました。
僕は何もしていない。そう訴えた所で根回しは完了しており、なすすべもなく投獄。

こうして真実は闇に葬られるのか…と思いきやトーマスのジャーナリスト魂はいささかも衰えていませんでした。

このままにはしておくものか。友人の弁護士リードと協力し、彼は真実の究明に乗り出すのでした。

といった粗筋。

タイトル通りの脱獄楽しめ、街の巨悪とも戦える。1本の映画を観たような満足感がありました。

シナリオがしっかりしてるんですよね。中盤からは敵の妨害が苛烈になり、手に汗を握る話が続きます。
そして、脱獄後に宿敵との決戦。最高に熱いラストをお楽しみください。

なお、マルチエンディング方式を謳っていますが、脱獄方法が複数あるだけで結末はそこまで変わりません。
巨悪を討つか討たれるか。真実を黙殺するか。2週もすればトーマスのストーリーは見終えるでしょう。

気さくで油断ならない囚人たちが物語を彩る

怖いし油断ならないアニマルたち。遠くで見ている分には間違いなく面白い。
どいつもこいつも言動からぶっ飛んでますからね。やっぱこの刑務所怖いよ。

なお、動物の特性に近いキャラ設定がされており、ゾウやライオンが強さ的には最上位に位置しています。
一方でゴリラは霊長類ということで知略に優れており、彼もまたギャングのボスになる器があると。

なぜ彼はこういうキャラクターになっているのか。元の動物の特徴と照らし合わせて考えるのも本作の楽しみ方です。

ゲームシステム

刑務所の1日を体験しよう

監獄体験シミュレーションとしては屈指の完成度。
1日のスケジュールが細かく決められており、マップも広大。周回するたびに新たな発見があるから面白い。

  • 午前:各所で刑務作業
  • 昼食後:自由時間(運動や読書、パソコンゲーム)
  • 夕食後:自由時間(ボードゲームや映画鑑賞、シャワー)

など出来ることが膨大で、時間がいくらあっても足りません。

刑務所にしてはえらく自由度が高いですが、囚人の自主性を大切にしているんでしょうかね。
なんなら働かなくても怒られません。無一文でも死なない程度の衣食住は保証されます。

人によっては最高に居心地の良い環境かもしれない。
まあ、ギャングの三つ巴になっていたり汚職まみれだったりするので普通の人は耐えられないでしょうが。

衛生面も悪いので、自主性と言うより管理する気がないだけかもしれません。

ミニゲームが豊富で、飽きることを知らない

刑務作業は全てミニゲームで成果が決まります。
単純なダイスロールからレシピ通りに飲み物や食事を作る複雑な内容まで種類は様々。

内容によってはゲーム最難関とまで言えます。軽い気持ちですると大失敗は確実でしょう。

ただのお金稼ぎと侮るなかれ。意外とはまる内容ばかりです。難しい場合はオートですることも可能なので安心。

脱獄に向けたスキルアップやアイテム収集が楽しい

シミュレーションゲームの醍醐味は育成とアイテム収集。脱獄に向けてしっかり準備を進めていきましょう。

布切れを結べば高いところから降りるロープになりますし、ゼムクリップと釘を組み合わせれば開錠ツールを作れます。
一見してゴミにしか見えないものでも大事なアイテムに化ける。こういう工作はワクワクしますねえ。

スキルも豊富で、プレイヤーの選択次第でトーマスの能力も変わります。
周回でスキルが引き継がれるため、2週目で更なる成長を遂げることも可能。

緊張感のある隠密任務

夜の冒険がたまんねえ。
大脱獄までの下準備はかなりの長丁場。2,3日では突破口が開けません。

少しずつ活路を開き、期限までに脱獄のルートを確保する。
そして、その日まで身体を休め、いざ行動開始。

これまでの集大成を見られるクライマックスをぜひ自身の目で体験してほしい。
クリア自体は誰でもできますが、簡単と言うわけでもありません。だからこそ達成感がたまらない。

まとめ

最高の刑務所シミュレーションゲーム。
敵との水面下の争いも楽しく、いかにして証拠を集めるかはミステリージャンルとしても申し分ありません。

とんでもない時間泥棒のなのでプレイするタイミングだけは注意。

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