【傑作】アルタイル号の殺人【レビュー】~自己の証明~
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作品情報

メーカー:オレンジ
価格:1,300円
プレイ時間:6時間弱

システム

アンドロイドに指示を出し、事件を操作せよ

やってることは一般的な推理ゲームを簡略化させたような感じ。

各現場の気になる個所を調べ、そこで集めた情報を元に聞き込みを行います。

詰む要素はなく、ノベルゲーと思って差し支えありません。

アンドロイドに指示を出すと言う意味ではソムニウムファイルが近いかもしれない。
もっともアクション要素は一切ありませんが。

神秘的でノスタルジーなBGM

音楽も素晴らしい。プロローグの音楽から引き込まれます。
クライマックス時には熱いBGMも流れ、音楽がゲームをどこまでも盛り上げてくれました。

シナリオ

SFミステリーとして間違いなく面白い。

謎の生命体が出るので、色物系を疑いましたが杞憂でした。しっかりミステリーしていました。
プレイ時間も手ごろ。小説は苦手だけどミステリーを楽しみたい人にうってつけの作品です。

犯人は宇宙外生命体か人間か

「地球外生命体・ホープ」が船内に侵入し、事件は動き出します。
至る所でシステムエラーが起き、ついには殺人事件にまで発展しました。

果たしてこれは地球外生命体の仕業なのか。それとも人間なのか。

プレイヤーはあらゆる可能性を考慮して、事件の真相を導かねばなりません。

この焦らしが秀逸で、ギリギリまで真相が掴めないようになっています。
容疑者が絞れそうで絞れない。フーダニットゲームとして申し分ありません。

宇宙要素をふんだんに盛り込んだSFトリック

無重力や気圧差を利用したトリックが満載。地球での常識は通用しません。
知識がない僕には雑学として楽しました。その代わり自力での真相究明は諦めた。

理系的な話がたくさん出るので、拒否反応を示す人はやめておきましょう。

登場人物

おっちょこちょいのアンドロイドが可愛い

あかん。フレムが愛おしすぎる。

感情を獲得しつつあるアンドロイドであり、主人公(AI)の代わりに事件解決に動きます。
ロボット三原則に逆らおうとする強い意志を獲得。事件を通して大きく成長することになるのです。

発見時に故障していたせいか抜けているところもあり、愛嬌抜群のアンドロイドでした。
ぜひ彼女の成長を見届けてください。感動するよ。

主義思想が異なる船員たち

サスペンスにありがちな嫌味なキャラは1人もいません。
かといって仲が良いわけでもない。最悪、殺人が起きても不思議ではない。

異国の人間同士だからこその決して埋まらない溝を抱えているのです。

場所や時代が違えば良き同僚になりえたかもしれない。
そんな彼らの不幸の連鎖をお楽しみください。

クライマックス

感動した。
正直この着地は予想できなかった。確かに状況的にこうするしかないよな。

テーマである「生物としての存在証明」の結論がこうだったんでしょうね。
人間・機械・地球外生命体。それぞれの行きつく先は果たして同じか否か。

非常に後味の良い作品でした。

まとめ

後味の良い傑作。惜しむらくはPVで良さが半分も伝わらないことか。買うの躊躇したからな。

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