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作品情報

作者:NON
巻数:3巻(完結済み)

粗筋

1人の少女の死。自首した美月の思惑とは。

「友人の五十嵐真子を殺し、首を切断した」

自首した藍川美月の供述に矛盾はないものの違和感がありました。

本当に美月が殺したのか。他の誰かの犯行ではないか。
気になった国選弁護人の辻は真実の究明に乗り出すのでした。

国選弁護人は嫌な奴が多いイメージでしたが、辻は情に厚い男として描かれています。
だからこそ美月も彼を信じることができたのかもしれません。

裁判にて美月の想いが実を結ぶのか

美月の目的は裁判。すべてはそのための行動だったのです。
なぜ彼女は自白したのか。何を思っているのか。

裁判の怒涛の展開に驚愕するのだ!

全体の感想【★★★】

きれいにまとまった作品。長すぎず短すぎず絶妙な塩梅でした。

2人の少女の不幸に耐えられるか

なんでこんなに辛い境遇なのか。
物語の最初から不幸。更にそこから転落するんだからどうしようもありません。

その不幸は真子の死という最悪の形で花開くのですから救いようがない。
中々に辛い作品なので、軽い気持ちで読むとメンタルブレイクするでしょう。

サスペンスなんだけど、ヒューマンドラマの方がしっくりくるか。人間って怖いなあ。

起承転結がしっかりしており、読み応えあり

これ以上ない文章量。多すぎるとダレるし、短すぎると駆け足感があったでしょう。

トリック【★★☆】

殺人犯は誰なのか

重きを置いているのがフーダニット。
誰が殺したのか。そこに重きを置いています。

  • 自主をした美月
  • 真子のストーカー疑惑の暁祐樹

容疑者はこの2人。
美月の証言と辻の調査で真相に近づいていきます。

しかし、美月の証言が全て本当である保証もない。
どこまで信用すべきか。祐樹は無実なのか。

真実に至るまでの道程が非常に楽しい。

クライマックス【★★★】

できる範囲でのきれいな形に落ち着いたと思う。
2人の少女はしっかり地獄を味わいましたが、ほんの僅かな救いもあったかな。

裁判の攻防が圧巻

裁判編はマジで一気見してほしい。
追い詰められる容疑者の狼狽ぶりやウソと真実の混ざり具合が絶妙。

油断してると読者の我々はすぐに騙されてしまうかもしれません。

美月が自首した驚きの真実

実際に殺害したかどうかもですが、そもそもなぜ自首をしたのか。
その理由が裁判後に判明します。

そのあまりにも計画的で恐ろしい理由に彼女の本気を見ましたね。命かけてるわ。

まとめ

全3巻でサクっと読めるオススメの漫画。
密度も濃いので、1冊の小説を読んだ気分になれました。

全体的に暗いですが、最後にほんの少しの救いがあったのも良かった。

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