【良作】マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年【レビュー】
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作品概要

ブランド: 213℉
販売価格:2,200円
プレイ時間:7時間

シナリオ

まあまあ。無難に面白い。ただ、全体的に淡々としている感はある。

パラドクスが起こる島で抗う少年の物語

主人公の樹は里帰りした式音島で某パラドクスに巻き込まれます。
パラドクスを認識しているのは樹だけ。樹次第で島民の運命が大きく変わってしまうことになりました。

死んだ人が生き返ったり、逆に突然に死んだり。
行動パターンも変わっていき、樹は常に頭を悩ませるようになります。

果たして樹は島の人々にふりかかる不幸を防げるのか!?そんな物語。

伏線の張り方が丁寧で、エンディングはすっきり

綺麗にまとまった作品。
伏線はエンディングで全て回収されます。ただし、マルチエンディング方式で、トゥルーだけだと一部キャラの真相が分かりません。

まあ、考察のしがいはないですね。良くも悪くも綺麗すぎるか。

システムメインであり、キャラクターの個性が薄い

終わった後に思い入れるのあるキャラが1人もいなかった。
推理パートメインで、キャラ同士の日常はほとんどありません。

全ての事件で樹が最も疑われる上、事件毎に樹と他キヤラの関係性はリセットされます。
なので、樹と深い関係になる前に事件は終わってしまうのです。そらキャラの深堀はできんわな。

まあ、深堀し過ぎると容疑者絞られちゃうからね。仕方ないね。

システム

斬新で面白い。ボリュームも丁度よく、クリアする前に飽きることもありません。

樹が主人公の分身として、他容疑者(NPC)と議論を交わしていきます。

追放選挙の概要
  • 調査:容疑者同士がざっくばらんに会話
  • 議論:容疑者全員が自身の推理を披露
  • 投票:誰を犯人とするか決める

容疑者と会話し、疑問に対する回答を導く調査パート

システムの核であり、もっとも面白い部分。

樹は容疑者と密談し、各々が持つ疑問を聞き出します。
それに対する回答を用意するのですが、そのために物証と証言が必要不可欠。

そこで樹は容疑者との会話の中で物証や証言を集めて回ることになります。

  • Aさんは〇〇時〇〇分に台所でた
  • 事件現場に落ちていた服はBさんのものだ
  • Cちゃんはあそこに隠れていた

得られた証拠を元に更に聞き込みを行い、芋づる式に証拠を集めていきます。
同じ物証でも聞いた相手によって得られる情報が異なり、またNG質問が存在することも。

誰にどの質問を行うのが適切か試行錯誤するのが本当に楽しい。ぜひ最短質問回数でのクリアを目指してください。

残り時間は多いので、時間切れになることはほぼありません。

調査パートで得られた証拠を見やすく整理

情報だけ集まっても意味がない。
ということで、得られた証拠は樹がきれいにまとめてくれます。

時系列で分かるので、アリバイチェックなどは容易。
ぜひ容疑者の矛盾を探していきましょう。

視覚的に楽しく頭の整理もできる。非常に良いシステムだなと。他ゲーでも取り入れてほしい。

議論と投票で犯人を導き出せ

調査を終えたらいよいよ投票。要するに誰を吊るか決めます。

前提として必ず犯人がいるので、必然的にアリバイが無い人を探すことになります。

得られた証拠は「犯人を決定する」ではなく、「彼しか犯行はできない」まで。要するに消去法。
理詰めで敵を追い詰めたい人には不向きかな。議論メインなので主観によるところも大きい。

まとめ

余韻を感じるほどの衝撃はないですが、無難に楽しめた良作。
こういう作品も良いものですなあ。

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