ソムニウムファイルの待望の続編。
前作未プレイでも可能となっていますが、間違いなくプレイした方が良い。

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作品概要

ブランド: スパイク・チュンソフト
販売価格:7480円
プレイ時間:21時間

シナリオ

オカルトと現実を絶妙に融合させた傑作

前作のイリスルートで語られたオカルトの数々。
本作はそれをメインに据えて物語が展開します。

といっても荒唐無稽の話が連続するわけではありません。
史実と都市伝説を組み合わせた非常に論理的な構成となっており、悔しいことに納得させられてしまいました。

一例

都市伝説:現世はシミュレーションゲームに過ぎない。

  • 定義1:有り得ない行動を取ることでバグを見つけることをゲーム用語でデバッグと呼ぶ
  • 定義2:修行僧は常人が行わない荒行(断食など)を何年も行う

定義1と2により、修行僧はデバッグ(荒行)を行い、現世のバグ(綻び)を探しており、見つけた者は「解脱」を果たす。

一例をばかばかしいと思う人は根本的に本作が向いてないかもしれません。オカルトが好きな人はとことんはまる。

にしても、実に論理的なんですよね。荒行がデバッグの1つと言われると妙に納得してしまいます。
荒唐無稽なテーマに史実を織り交ぜることは他の議題でも用いられており、普通に歴史の勉強になります。面白い。

登場人物がひたすら辛い目に合う物語

辛い…辛すぎるよ…。
登場人物のほとんどが辛い目に合っている作品。シナリオライターは良い性格してるわ。

みずきや龍木はすでに起きた事件を調査するだけなので、悲劇を回避することはできません。警察の悲しい定め。

彼らにできるのは真実を突き止め、被害者の慰めとすることのみ。それを胸に秘め、寝る間も惜しんで調査に没頭するのです。

最後は皆が前を向きますが、グッドエンドというよりビターエンドが正しいのでしょう。

ラストはしっかりスパイクチュンソフト

鬱屈とした中盤までのシナリオを派手なアクションシーンで締めます。
登場人物勢ぞろいのドンパチ。やっぱこういうのがスパイクチュンソフトよなあ!

割と熱いからね。特にみずきの格闘は映える。バケモンだよ、この娘。
そんな感じでシナリオの割に後味の悪さはありません。キャラが前向きなのもやっぱ大きいね。

しっかりと捜査しており、推理小説を読んでいるかのよう

普通にミステリーしています。
アイボゥの存在がファンタジーですが、それ以外は現実に即した進みになります。米治はファンタジー側だろ、あれ。

6年前と現在の事件がリンクする設定も秀逸で、読者は良い具合に翻弄されることでしょう。中盤以降は???の連続だよ。

すべてが解けた時の感動もひときわ。ミステリー好きに本当にオススメ。前作はSFだったね。

不幸を回避するルートは正しいのか否か

製作者は本当に性格が悪い。
ある手法を取ることで、みんなが幸せになるルートに進むことができます。

しかし、その世界には違和感しかありません。

本当にこれで良かったのかな

龍木の言葉より

この世界は本当に幸せなのか。そもそもこの世界は…。
グッドエンド?を見た時の感情はゲームをクリアした人しか味わえないでしょう。ぜひ確かめてほしい。

キャラクター

竜木にイマイチ主人公がない

前作と違って、今回は2人の視点で物語が進みます。
みずきと竜木のW主人公として前作とは違った刺激で楽しめます。

が、竜木に関してはあまりおいしい役がありません。なんならプレイヤーのヘイトがたまります。

諸々の事情で精神状態がおかしくなっており、正常時の行動も頼りがいがありません。
特に米治関連はいくらなんでも無能すぎるだろうと思ってしまいました。

ベテラン刑事の伊達と比べるのもかわいそうですが、どうしても力不足感が否めない。
弟の話が何度か出ますが、結局最後まで物語に絡みません。覚醒イベント欲しかったよな。

ただ、彼だけがグッドエンド?にいける存在なので、やはり主人公なのかなとも思います。

前作のキャラはほぼオマケ

イリスがとんでもない美女になっており、非常に楽しみだったわけですが、そんなに話に絡みません。
それ以外のキャラもたまに出るぐらいで、前作キャラの絡みを楽しみにしてプレイするゲームではない。

まあ、この辺は大人しく新キャラを楽しんおきましょう。良いキャラ多いよ。

システム

ソムニウムパートの難易度が大幅アップ

時間制限の他に謎解き要素が加わっており、前作とは一線を画す内容です。
脱出ゲームが始まることもあり、クイズ系が苦手な人はかなり苦労するでしょう。

よりゲーム的になったと言えるかもしれませんね。前作はノベルゲーに近かったので。
賛否両論はあるかな。僕的には前作の方が楽だった。

まあ、最悪しらみつぶしでいけばクリアできるので、頑張ってください。

調査パートもより詳しくできるように

新たにX線調査やサーモグラフィ調査が加わり、より捜査が面白くなっています。
事件現場の再現も可能となり、前作以上に捜査してる感があります。

前作はいまいち謎解きしてる感じがありませんでしたからね。Syncの構造説明に終始していました。

まとめ

間違いなく名作で面白い。
一方で前作と毛色がかなり異なります。とりあえずみんなが不幸な人生を歩む。

システムやシナリオも複雑になっているので、前作と同じノリだと面喰うかも。

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