『修学旅行中の飛行機が墜落して絶滅動物が歩き回る島に不時着してしまった!?アキラ達の未来は如何に!』

一行粗筋

週刊少年マガジンに掲載されていたサバイバル漫画。絶滅動物の恐ろしさを描き切った傑作であり、非常に読み応えがありました。

ただ、大量にばら撒いた伏線を満足に回収できていません。このあたりが本作の評価を落としているようです。
もっとも考察好きにとってはむしろ有難い話。僕も未消化の伏線の意味を延々と考えていました。

ということで、これからネタバレ全開で考察をしていきましょう。

本作は謎が分かるまでのドキドキ感が面白さの肝なので、ネタバレを見ると面白さが激減します。なので、完読した人だけ見てください。

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タイムスリップ説とクローン説のどちらが真実か

タイムスリップ説とクローン説で議論をされているエデンの檻。伏線を元に僕なりの見解を述べていきます。

タイムスリップ説では説明できない伏線がある

アキラ達の飛行機は墜落中にタイムスリップし、未来のライカ島に墜落した。

根拠となる伏線
  1. 飛行機墜落中にアキラとりおんの間に生じた歪み
  2. 最終話での仙石優奈のセリフ「私の作ったライカ島でみんなが生きている夢を見る」

一見すると納得できる説に見えますが、機長だけが現状を正しく理解していた理由が分かりません。
どう読み込んでも早々に退場した彼が重要な情報を持っていたとは思えないのです。

そもそも本作のテーマは「遺伝子」であって「時間跳躍」ではありません。

終盤になって唐突にSF要素を足すのがどうにも納得し難い。
「ハデスの正体」と「ミイナの記憶喪失」もタイムスリップに関係しているとは到底思えません。

クローン説ならば諸々の伏線の説明がつく

アキラ達は墜落事故で死亡。作中のアキラ達はクローンである。

根拠となる伏線
  1. 墜落で皆が無傷だった理由と機長の意味深なセリフ「急がないと帰れなくなる」
  2. グアムのお面をかぶっていたハデスの正体
  3. ミイナの記憶喪失の理由

クローン説では機長は絶滅動物の存在を知っていたことになり、機長のセリフ「急がないと帰れなくなる」の説明がつきます。

凶暴な動物に襲われると考えていたのでしょう。実際、多くの人間が動物に襲われて命を落としているので、恐れるだけの理由は十分あります。
この程度の情報ならば大したことないので、モブの彼が知っていても違和感はありません。

また、ハデスについてもクローン説ならではの解釈が可能です。

ハデスはアキラに特別深い憎しみを持っていましたが、それは彼がアキラのクローンだったからではないでしょうか。自分そっくりの人間が目の前に現れたから憎悪したのです。

ライカ島の真実

クローン説を前提に考えると、ライカ島の過去に関して考察の余地が出てきます。

作中で機長はもう1つ意味深な言葉を残していましたよね。

「本当に…私の腕ではないんです…」

機長の言葉

これはつまり機長は自分では何もせずに完璧に不時着したということ。しかし、飛行機事故において、そんなことは不可能です。

となると答えは1つしかありません。ずばり、飛行機は墜落などしておらず、初めからあの状態でライカ島に作られたのです。

クローン人間の成功と失敗

順を追って考えていきましょう。

作中ではクローン人間の話は出ていませんが、仙石優奈が後継者のフレイに「アキラ達がライカ島で過ごす夢」を語っています。フレイはそれを叶えるために動いたと考えられます。

それがアキラのクローンを生み出し、ライカ島で生活させる計画です。

しかし、それは一筋縄ではいかなかったのでしょう。
作中で正体不明の人骨が発見されましたが、これはクローン実験の失敗の象徴と言えます。

クローン人間を生み出すこと自体は成功しました。優奈の想いを受け、アキラをライカ島で生活させることもできました。

しかし、考えてみて下さい。ある日、目を覚ましたら「あなたのオリジナルは死んでいて、家族ももういない。クローンだけど人生を満喫してほしい」と言われて納得できるでしょうか。発狂しても不思議ではありません。

そして、実際に発狂したクローン人間が関係者を皆殺しにした結果がライカ島の惨状なのです。

なお、これは根拠のない憶測になりますが、発狂した人物はハデスではないかと考えています。

いかにもずっと島に住んでいたかのような姿ですからね。アキラの新たなクローンが登場するまで1人で生きてきたのでしょう。

ライカ島が2つ存在する可能性

ハデスによってライカ島は壊滅しました。もうクローン実験は不可能のように思えます。
しかし、気になる点があります。それは緯度です。

ミイナの墓に『N21.97 F135.13』と刻まれていたことからライカ島は沖縄付近に存在すると真理谷は考えましたが、実際はグアム付近でした。

ここでてっきり『N21.97 F135.13』はミイナが死んだ場所、つまり、飛行機の墜落地点だと僕は考えていました。ところが、最終話で優奈がライカ島に降り立つ時におかしなことを言います。

この下にあの子が眠っているのね。

仙石優奈の言葉

彼女の言葉を信じるならばライカ島と飛行機の墜落地点は同じです。また、「座標16.79-148.35」とパイロットが言うようにライカ島はグアム付近で間違いありません。

ならば、ミイナの墓に書かれている座標は一体何なのでしょうか。

これに対する僕の考えはこうです。
ライカ島は2つ存在しており、ミイナの墓にはその場所が刻まれていたのです。

そして、そこに人間のクローンを生み出す研究所がある。そう考えています。

ミイナは作中でキーマンとして描かれていました。となると、ただの墓とするのは少し違和感が残ります。

同じ失敗を繰り返さないために

再びアキラ達のクローンを生み出したフレイはパニックの再発を防ぐため、オリジナルが死ぬ直前の状況を再現しました。

飛行機が不時着したかのように偽装し、クローン達を寝かせます。そして、機長には最低限の情報を与えておきました。

これだけでも十分でしょうが、二度と失敗するわけにはいきません。何重もの対策を施さなくてはならないのです。

そこでアキラだけは別の場所に避難させ、さらに絶滅動物図鑑を持ち頭脳明晰な真理谷と大森をアキラの護衛役として一緒に寝かせました。

結果、アキラの記憶には若干の祖語が生まれます。それこそが墜落中の飛行機内で起きたゆがみ、記憶が捻じれた結果なのです。

最後にフレイはミイナの記憶もいじることにしました。
自分の書いた動物が歩き回っていたらミイナは異変にすぐに気づくので当然の承知でしょう。

クローン人間の可能性に辿り着き、パニックを起こさせるわけにはいかない。これがミイナの記憶喪失の真実です。

最後に

アキラは苦難を乗り越え、そして、最後は真実(実際とは違いますが)に気づきつつも前を向く決意をします。
ここに仙石優奈の悲願が実ったのでした。

僕はエデンの檻が大好きです。徹夜の勢いで一気読みしました。
ラストは度肝を抜かれましたが、ある意味で考察の余地を残してくれたとも言えます。

伏線を残したままミステリアスで終わる作品の良さを出したのではとポジティブに考えています。

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