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作品情報

メーカー:角川ゲームス
価格:7,480円
プレイ時間:約15時間
販売サイト:

雑感

キャラクターの掛け合い漫才が面白く、推理に矛盾もありません。

ただ、トリックが平凡で面白みに欠けたか。予想外の展開はあまりない。
クライマックスも尻すぼみ気味であり、定価で買うのはオススメできません。

定期的にセールされるので、半額以下での購入をオススメします。

システム

1話完結型のミステリーゲーム

本筋は「10年前に中止された撮影の真相」ですが、それまでに複数の殺人事件を解決することになります。
1話当たりは20分程度と言ったところ。肩の力を入れずに軽い気持ちで始めて問題ありません。

映像作家が主役ということで、常にアシスタントにビデオカメラを回させています。
事件現場も同様であり、本作は徹底的に物的証拠を突きつけることができるのです。

状況証拠ばかりで自供する犯人に違和感を感じる人にオススメのアプローチかなと。

各地を回りキーワードを集めろ

ミステリーADVでメジャーな探索システム。
現場や関係者を訪ね、事件解決の糸口を掴もうと奔走します。

と言っても証拠は映像で十分ですので、基本は閃きを求めての聞き込みです。

もちろん初対面の八雲に重要な情報を話す人は中々いません。
そこで何気ない会話から重要な要素をキーワードとして記憶し、それを別人にぶつけて新情報を得ることになります。

真実に近づくため同じ人に何度も聞き込みを続ける、そんな辛抱強さが求められるのです。

警察より警察してる八雲に感動したね。お前、本業間違えてるんちゃうか。

1VS1の討論で敵を論破せよ

証拠を集めたら重要参考人との討論バトルが開始。
と言っても難しいことはなく、複数のキーワードから正しいものをぶつけるだけです。

論破することで犯人は諦め自供することになるわけ。
まあ、動かぬ証拠があるからね。言い逃れは無理ってもんよ。

シナリオ

島根による島根の為のゲーム

島根に関わる名所・伝承・行事のオンパレード。これで君も島根マスターだ!

なんならミステリーはオマケと言っても良いかもしれない。それぐらいの密度。
八雲と一緒に観光をしている感覚でプレイすると吉。

用語例
  1. 石見神楽
  2. 津和野百景図
  3. 金屋子神

映画撮影の物語と言うことで、実在の俳優は監督も登場します。

雑学を多く学べるので、島根旅行を考えている人にぜひプレイしてほしい作品でした。

キャラ同士の掛け合いが絶妙で、読んでいて楽しい

登場人物が多いながらも全キャラフルボイス。
キャラに声優がマッチしていて違和感がありません。

また、会話の緩急が上手く、シリアスとギャグを良い塩梅に堪能できます。

特に八雲とアシスタント曲の会話が本当に面白い。
どちらも気持ちの良いキャラなので、不快感がほとんどないんですよね。

ADVを楽しめるかどうかは主人公にかかっていると言っても過言ではありません。こういう観点からも本作はオススメでした。

キャラクター

八雲凛太郎

向上心のある熱い映像作家。
裏表のない真っすぐな男なので、周囲からの人望も厚いです。

嫌味が一切なく良い感じに抜けてるので主人公として申し分ありませんでした。

作中で何度か挫折しそうになりますが、自力で立ち直りますからね。強い。

曲愛音

八雲事務所はこの娘で持っている。それぐらい有能で良い子。

愛嬌があり、アシスタントとしても優秀。ツッコミもできる。
なによりなんやかんやで八雲を信頼しているのが素晴らしい。

八雲の行動にドン引きしても給料が安くても彼を信じてついていきますからね。かっけーよ。

ムードメーカーとしても重要なキャラクターであり、見ていて癒されます。

八雲と曲以外は存在感が薄め

基本的には上記2人で物語が進んでいきます。
それ以外は物語を動かすキーパーソン的扱いであり、過去などの深堀はほとんどありません。

もう1人の主人公リホも実質サブです。キャラが薄いんだよな。
物語の核心に迫る上での必須キャラではありますが、主人公かと聞かれると…って感じ。

八雲の妹に至ってはなんで出したか良く分かりません。あの子、必要だった?

まあ、妹も含めて嫌味の無いキャラばかりだから良いんだけどね。

章ごとに殺人事件が発生するため、そもそもの登場人物がかなり多いです。
そう考えると1人1人が薄くなってもい仕方ないかもしれません。

クライマックス

ここだけは正直微妙だったなと。

なんというか無難に着地したなぁと。もう少し二転三転して欲しかったのですが…。
若干のご都合主義を感じてしまいました。

後、感動要素を安易に足したのも頂けない。過去との決別という意味では必須だったかもしれませんが、唐突にB級感が出てしまいました。

キャラクターの項目で言ったように八雲と曲以外にイマイチ感情移入できないため、そこ以外で盛り上がられても困るっちゃ困る。

真犯人の動機は面白かったんですけどね。本作ならではって感じでした。

まとめ

島根観光のお供にオススメの作品。
全体的に癖のない構成になっており、ミステリー初心者にもうってつけ。

クライマックスだけ尻すぼみですが、全体を通してみると間違いなく良作です。

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